新興・途上国の役割拡大など議論=G20財務相会議、28日開幕
![G20参加国・地域の関係](https://img.sp.m.jiji.com/image/out/20240227ax12S_o.jpg?updated=1709092605)
【サンパウロ時事】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が28日、ブラジル・サンパウロで開幕する。3年目に入ったウクライナ危機や中東情勢をはじめとした世界経済のリスクを点検。持続的成長へ低・中所得国債務や気候変動問題などを議論する。議長国ブラジルは貧困や格差の是正を訴え、新興・途上国の役割拡大を主導する構えだが、政策協調への道筋は不透明だ。
日本からは植田和男日銀総裁が出席する。鈴木俊一財務相は2024年度予算案の国会対応を優先し、欠席する。
新興・途上国「グローバルサウス」の代表格でもあるブラジルは、先進国と新興・途上国間の不平等解消を掲げ、国際通貨基金(IMF)や世界銀行など国際開発金融機関(MDBs)での発言力拡大を目指す。脱炭素化や国際課税なども議論を進めたい考えだが、先進国との間で利害や思惑が一致しない面も多い。
グローバルサウスの国同士も一枚岩ではない。政治体制や産業構造の違いから先進各国や中国、ロシアとの距離感はまちまちで、ブラジルが議長国として意見を集約できるかが問われる。
先進各国は、重要物資の調達面で新興・途上国との協力を深めたい考えだ。対立する中ロに変わる供給網(サプライチェーン)の有望な代替先として、豊富な天然資源を持つグローバルサウスを交えた体制構築を模索する。
G20に合わせて、先進7カ国(G7)財務相・中銀総裁会議も当地で開催される。ウクライナ支援に向け、対ロ制裁の強化や凍結資産の活用について議論する。中東情勢も意見が交わされる見通しだが、「人道的な即時停戦」を求める国連安全保障理事会の決議案に拒否権を行使するなどイスラエル寄りの姿勢を続ける米国に対し、G7内でも温度差が生じている。
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