出生数、過去最少75万人=8年連続減、少子化加速鮮明に―23年人口動態統計速報・厚労省
厚生労働省は27日、2023年の人口動態統計の速報値を公表した。年間出生数は75万8631人と、8年連続で過去最少を更新。初の80万人割れとなった前年の速報値(79万9728人)と比べ4万1097人(5.1%)減少し、1983年の約150万人から半減した。新型コロナウイルスの感染拡大で20、21年の婚姻数が戦後最少を更新したことなどが影響したとみられ、少子化の加速化傾向が鮮明となった。
厚労省の担当者は「晩婚化、晩産化の傾向に加え、コロナが婚姻活動や出産に影響した可能性がある」と話している。
国立社会保障・人口問題研究所が23年に公表した将来推計人口では、56年に1億人を割り、70年には8700万人まで減る。想定を上回るスピードで少子化が進んでいることを受け、政府は今月、対策強化に向けた「子ども・子育て支援法」改正案などを閣議決定した。児童手当の拡充や、育児休業給付金の引き上げなどを盛り込み、28年度までに年3兆6000億円の予算を充てる方針だ。
年間出生数は、第1次ベビーブーム(1947~49年)で約270万人、第2次ベビーブーム(71~74年)で約210万人に上った。91年以降は増減を繰り返しながら、2016年には100万人、19年には90万人、22年には80万人を下回った。
婚姻数は48万9281組で、前年から約3万組減少した。コロナ禍で大幅に減少し、22年は反動でわずかに持ち直したものの、再び大きく下振れした。
死亡数は、過去最多の159万503人で、3年連続の増加。死亡数から出生数を引いた人口自然減は83万1872人と17年連続で減り、過去最大の減少幅となった。
速報値には、国内在住の外国人や海外にいる日本人が含まれる。今後公表される確定数は、日本に住む日本人だけが対象で、速報より少なくなる。
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