森氏聴取、必要なしと判断=岸田首相、「国民の厳しい目」認識―衆院予算委
岸田文雄首相は26日の衆院予算委員会で、自民党安倍派などの政治資金パーティー裏金事件に関し、自民による聞き取り調査で同派会長を務めた森喜朗元首相を対象としなかった理由を問われ「森氏の具体的関与を指摘する発言はなかったことから、追加聴取は必要ないと判断したと受け止めている」と述べた。立憲民主党の奥野総一郎氏への答弁。
奥野氏は自民の二階俊博元幹事長、下村博文元政調会長、萩生田光一前政調会長の3人の参考人招致を要求し、応じない限り2024年度予算案の衆院通過は「困難」との認識を示した。首相は「国会で判断いただくことだ」と指摘するにとどめた。
首相は裏金事件に関し「国民の厳しい目を強く感じている。信頼回復に向けて、強い覚悟を持って臨まなければならない」と強調。SNSで「#確定申告ボイコット」とのハッシュタグを付けた投稿が広がっていることに関し「承知している」と述べた。立民の城井崇氏への答弁。
日本維新の会の高橋英明氏は、岸田派の政治資金規正法違反事件に関して首相自ら政治倫理審査会に出席する考えはないか尋ねた。首相は「予算委で幾度となく質問を受けて、説明を続けている。こうした対応によって説明責任を尽くしていきたい」と否定的な考えを示した。
共産党の赤嶺政賢氏は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、沖縄戦の激戦地となった県南部の土砂を埋め立て用として調達しないよう訴えた。首相は「今もなお戦没者の遺骨収集が進められている。こうした事情も十分踏まえ、調達先を適切に判断していく」と語った。
[時事通信社]
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