高速道、車種別料金を再検討=現行5区分、見直し視野―国交省
国土交通省は、普通車や大型車など5車種に分けている高速道路料金について、見直しを視野に入れた再検討を始めた。車種のサイズ、重量に基づき料金比率を定め、大きくなるほど高額にしている現行制度の導入から35年。軽自動車の大型化や電気自動車(EV)の増加など時代の変化を踏まえ、適切な料金設定を探る。
国交省と高速道路会社は、再検討に向けたたたき台を今秋にも提示。具体的な時期は示していないが、たたき台を基に有識者会議で区分の細分化や料金比率の変更など対応方針を決める予定だ。
現行の車種別料金は1989年に導入。「軽自動車等」「普通車」「中型車」「大型車」「特大車」で、当時の大きさや重さなどに基づき料金比率を定めた。大型の車ほど道路を傷め、建設・管理費を増やす要因になる点などを考慮。普通車の1に対し、軽自動車等が0.8、大型車が1.65などとした。
大都市などを除いた普通区間の場合、この比率に1キロ当たりの基本料金(24.6円)と走行キロ数を掛け合わせ、固定額「ターミナルチャージ」150円を足した額が高速料金となる。
しかし、車や道路を取り巻く環境は大きく変化。同じ「軽自動車等」の二輪車と軽自動車を比べると、軽はより大きくなり、二輪との差が広がった。同省のサンプル調査では、両者の重量差は88年度の361キロから2019年度は約1.3倍の478キロに拡大している。
また同省調査では、大容量の電池を搭載するEVを同じサイズの普通車と比べた結果、ガソリン車より約1.2倍重かった。
道路の老朽化が進む一方、気候変動や脱炭素化は89年当時大きな課題と認識されていなかった。同省は、こうした状況変化を料金設定に反映させるため、更新費用や二酸化炭素(CO2)排出量といった前回算定時に考慮されていなかったデータも活用する。
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