ウクライナ支援、寄付大幅減=関心低下、NGOが危機感―「1億円→60万円」も・侵攻2年
ロシアのウクライナ侵攻から2年がたち、現地で支援活動を続けるNGOなどへの寄付が大幅に減っている。当初は1億円を超えていた寄付が最近は60万円しかない月もあり、活動縮小を余儀なくされるケースも。担当者は「戦闘の長期化で関心が薄まっている」と危機感を強める。
「侵攻後1カ月がピークで、その後は急激に減った」。国際NGO「ピースウィンズ・ジャパン」(広島県)の担当者はこう嘆く。ウクライナ関連の寄付は1年で10分の1になり、現在は毎月一定額を寄付する支援者に何とか支えられている状態だ。
長期化に伴い、活動内容は物資や医療の提供から、攻撃を受けた病院の修復、心のケアなどに移っている。ただ、「支援が足りず、活動の規模を縮小せざるを得ない」のが現状だという。
国際NGO「アドラ・ジャパン」(東京都)でも、ウクライナ関連の寄付が激減している。特にパレスチナ情勢が悪化した2023年秋ごろから、インターネットを通じた個人寄付が減少。22年4月には月1億円を超えていたが、最近は100万円を割り込むこともあり、60万円だった月もあるという。
今年1月には能登半島地震も発生し、担当者は「さまざまなところに寄付が分散している印象だ」と話す。しかしウクライナでは現在も東部を中心に戦闘が続く。「2年たっても犠牲になる人が増えていると知ってほしい」と支援継続を訴えた。
[時事通信社]
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