「停戦論」も戦火やまず=24日にウクライナ侵攻2年―反攻に「終止符」とロシア
ロシアがウクライナ侵攻を開始してから24日で丸2年となる。民間人を含めて多大な死傷者を出した21世紀の戦争は、支援国も間接的に巻き込んで長期化し、国際社会では「停戦論」も議論されるようになった。しかし、当事国の双方はこう着状態の中で一歩も引かない構えで、戦火がやむ気配はない。
「ウクライナ東部ドネツク州アウディイウカの化学工場を解放した」。ロシアのショイグ国防相は20日、プーチン大統領に戦況を説明。前線の化学工場は「9年間にわたって要塞(ようさい)化」されたウクライナ軍の拠点だったと主張し、「成果」を誇った。
ショイグ氏は、双方が両岸でにらみ合うドニエプル川で、ウクライナ軍が橋頭堡(きょうとうほ)とした東岸の一部を、ロシア軍が奪い返したとも報告。昨年6月からのウクライナ軍の反転攻勢に終止符を打ったという認識を示した。
プーチン政権は長期戦と経済回復をにらんで軍需産業をフル稼働させ、イランや北朝鮮からも兵器・弾薬供給を受けたとされる。一方のウクライナは、西側諸国の支援の先細りに危機感を抱く。ゼレンスキー大統領は19日、ロシア軍が再占領を狙って攻撃を強化する北東部ハリコフ州クピャンスクで部隊を激励。24日には、先進7カ国(G7)のオンライン首脳会議で支援継続を強く訴える見通しだ。
ただ、勇ましく響く「戦争継続」は双方の政府の論理。両国民とも長期戦に疲れが見え、ウクライナでは追加動員法案を巡って紛糾したほか、ロシアでは交代要員が来ずに帰還できない予備役の妻らが、事実上の反戦運動を始めた。
「ウクライナの勝利を信じる欧州連合(EU)市民はわずか10%」。21日の英紙ガーディアン(電子版)が伝えたEU加盟12カ国を対象とした世論調査では、2年間の侵攻を見詰めた上での「支援疲れ」が浮き彫りとなった。ロシアが勝つという回答は20%。「妥協による解決」を予想する人が37%と最多だ。
こうした世論の変化を背景に、プーチン政権は昨年暮れごろから「停戦交渉の用意」を再び持ち出しているが、ウクライナと支援国の結束にくさびを打つ心理戦を展開しているもよう。プーチン氏は最近、今年の米大統領選を意識して米テレビの元看板司会者のインタビューに応じた。「本当に戦いを止めたいのなら、(米国は)武器供給をやめる必要がある。すべては数週間以内に終わる」と持論を述べた。
[時事通信社]
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