G20外相会合開幕へ=ウクライナ、中東情勢など議論―ブラジル
【リオデジャネイロ時事】ブラジルが議長国を務める20カ国・地域(G20)外相会合が21日、ブラジル南東部リオデジャネイロで開幕する。日程は22日までの2日間。開始から2年を迎えるロシアのウクライナ侵攻や中東情勢、国連改革などを協議する。
ブラジルのビエイラ外相が議長を務め、上川陽子外相やブリンケン米国務長官、ロシアのラブロフ外相らが参加する。ウクライナ問題などを巡っては参加国の間で意見の隔たりが大きく、ブラジルは成果文書の作成を見送る方針だ。
ウクライナを巡り、G20では侵攻を続けるロシアと、ウクライナを軍事支援する米欧が対立。こうした中、ロシア反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が獄死した。米欧を中心に対ロ批判が高まる中、双方の非難合戦となる可能性がある。
ブリンケン、ラブロフ両氏が昨年3月のG20会合と同様、言葉を交わすかも注目されている。日本は19日に東京都内で「日ウクライナ経済復興推進会議」を開催。長期的な支援を表明しており、会合で成果をアピールする方針だ。
中東情勢では、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ南部ラファへの本格侵攻を計画している。G20内では「民間人の犠牲を避けることでは一致がある」(日本外務省関係者)という。ブラジルのルラ大統領が、イスラエルによるガザでの報復攻撃をナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)になぞらえ、イスラエルとの外交問題に発展した。
2日目には、国連改革など国際社会の仕組みを協議する。国連や国際通貨基金(IMF)など多くの国際機関は創設から時が経過し、制度疲労が指摘される。
ブラジルはウクライナや中東への国際社会の対応を踏まえ「現在の二極化が国際平和を支えるはずの機関を弱体化させている」と認識している。国連に関して「意思決定手続きの不均衡に対処すべきだ」としており、常任理事国5カ国が拒否権を持つ安保理の改革に切り込みたい考えだ。
[時事通信社]
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