塩谷・武田氏、政倫審で弁明へ=自民回答、野党「話にならぬ」
自民党は20日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会(政倫審)について、安倍派座長だった塩谷立・元文部科学相と二階派事務総長だった武田良太元総務相が出席する意向だと立憲民主党に伝えた。立民など野党4党は2人の出席を評価しつつも、真相究明には不十分だと猛反発。2024年度予算案の衆院採決の前提となる中央公聴会に関し、自民は27日開催を求めたが、野党は同意しなかった。
自民、立民は21日にも改めて対応を協議するとみられる。野党は、パーティー収入のキックバック(還流)分などを収支報告書に記載していなかった安倍、二階両派の衆院議員51人全員の出席を引き続き求めており、与野党が歩み寄れるかは不透明だ。
自民は19日、51人の意向確認に着手。安倍、二階両派幹部から順に聞き取りを進めている。自民内には本人が出席を希望すれば認めるべきだとの声があるが、出席者を増やせば国会審議の混乱が避けられないとの懸念も強く、まずは2人の出席で野党に理解を求めることにした。
一方、安倍派で事務総長を務めていた西村康稔前経済産業相は20日、森山裕総務会長に対し政倫審に出席する意向を伝えた。同派幹部の一人だった稲田朋美元防衛相も記者団に「言われたら出る」と言明。直近の同派事務総長だった高木毅前国対委員長は「党の検討を受けて判断したい」と態度を明確にしなかった。関係者の意見が割れていることも、自民が野党との交渉を慎重に進めている理由とみられる。
立民、日本維新の会、共産、国民民主の野党4党の国対委員長は20日、国会内で会談し、自民が打診した2人の出席だけでは「話にならない」(立民の安住淳委員長)との認識で一致した。
[時事通信社]
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