ラファ本格侵攻、準備に数週間=断食月中に開始ずれ込みか―イスラエル軍
【カイロ時事】イスラエル紙ハーレツは19日、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファでの地上作戦に関し、民間人退避のため、準備に数週間かかる可能性があると軍がみていると報じた。軍高官が同日、協議して評価したという。
約140万人が身を寄せるラファに地上部隊を投入すれば、民間人の犠牲者の増加は必至。作戦実施を控えるよう求める国際社会の声が高まっている。
同紙は、準備に数週間を要するという情報が確かなら、3月10日ごろから始まるイスラム教のラマダン(断食月)までに作戦を開始するのは難しいと指摘した。信仰心が高揚するラマダン期間中に作戦に着手すれば、反イスラエル感情が激しくなることも予想され、中東地域全体の情勢悪化につながると懸念する声も出ている。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相は19日、声明で、過去数日にわたり「パレスチナ国家の樹立を一方的に強いる試み」という新たな圧力を受けていると主張。こうした動きを「拒否する」と述べ、パレスチナが将来の国家の領土と見なすヨルダン川西岸やガザ地区の「完全な治安管理」をイスラエルは維持すると改めて表明した。
欧米やアラブ諸国は、パレスチナ国家樹立への道筋を定めるなどしたガザの「戦後」構想を検討中とされる。ネタニヤフ政権は18日にも、一方的な「パレスチナ国家」の承認に反対すると宣言しており、構想に神経をとがらせている。
[時事通信社]
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