2024-02-13 18:32政治

不記載、85人5億円超=自民が裏金アンケート公表―野党は政倫審開催要求

 自民党は13日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、党所属国会議員ら384人を対象に行ったアンケートの結果を公表した。パーティー収入のキックバック(還流)や中抜きについて政治資金収支報告書に不記載や不正確な記載があったのは85人で、2018年からの5年間で総額5億7949万円に上った。野党は真相究明には不十分だとして政治倫理審査会の開催を要求した。
 14日には岸田文雄首相が出席して政治資金問題に関する集中審議が衆院予算委員会で予定されており、与野党の論戦が激化しそうだ。
 アンケートは野党の要求を受け、党所属議員全374人と新人・前職・元職の選挙区支部長10人を対象に実施。その結果、安倍派と二階派に所属する議員82人と支部長3人に記載漏れや不正確な記述があった。立件され党を離れた議員ら3人は対象外で、不記載額は二階派会長の二階俊博元幹事長(3526万円)が最多。次いで安倍派の三ツ林裕巳衆院議員(2954万円)と萩生田光一前政調会長(2728万円)が多かった。
 自民はアンケートに加え、85人と8派閥・グループの責任者への聞き取り調査の結果を週内にも公表し、党則に基づく処分を検討する方針だ。
 一方、立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主の野党4党は13日の国対委員長会談で、自民の調査では真相究明は望めないとして、安倍、二階両派幹部から弁明を聴取するための政倫審の開催を求めることで一致。この後、野党の代表者が衆院政倫審の田中和徳会長に開催を申し入れ、田中氏は「重く受け止める」と応じた。
 自民は24年度予算案採決の前提となる中央公聴会の22日開催を目指している。立民の安住淳国対委員長は記者団に、自民が政倫審に応じなければ「中央公聴会の日程の話はできなくなる」とけん制。同時に「嫌なら参考人(招致)や証人喚問に切り替えざるを得ない」と語った。
 
<p/>
 ◇不記載を申告した自民議員ら
 【安倍派】
 三ツ林裕巳2954、萩生田光一2728、山谷えり子2403、堀井学2196、橋本聖子2057、中根一幸1860、簗和生1746、杉田水脈1564、世耕弘成1542、宮本周司1482、宗清皇一1408、菅家一郎1289、小田原潔1240、衛藤征士郎1070、松野博一1051、高木毅1019
 大塚拓 994、和田義明 990、中山泰秀 908、柴山昌彦 896、堀井巌 876、関芳弘 836、丸川珠代 822、羽生田俊 818、岡田直樹 774、吉野正芳 660、加田裕之 648、尾身朝子 623、末松信介 584、細田健一 564、山田宏 560、西村明宏 554、高鳥修一 544
 下村博文 476、根本幸典 420、西田昌司 411、石井正弘 378、義家弘介 369、若林健太 368、亀岡偉民 348、上野通子 318、上杉謙太郎 309、佐藤啓 306、森雅子 282、江島潔 280、鈴木英敬 280、赤池誠章 268、吉川有美 240、木村次郎 236、塩谷立 234、青山周平 230、今村洋史 220、太田房江 214、松川るい 204
 稲田朋美 196、谷川とむ 188、佐々木紀 184、井上義行 178、井原巧 168、宮沢博行 132、北村経夫 118、長峯誠 116、西村康稔 100、野上浩太郎 100、福田達夫98、越智隆雄84、山田美樹76、小森卓郎70、田畑裕明68、鈴木淳司60、酒井庸行58、山本順三58、加納陽之助40、石田昌宏26、高橋はるみ22、藤原崇14、宮下一郎12、加藤竜祥10、山崎正昭4
 【二階派】
 二階俊博3526、武田良太1926、平沢勝栄1817、林幹雄1608、宮内秀樹 161、衛藤晟一80
 (敬称略。単位は万円。金額は2018~22年の5年間の合計)
。 
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集