2024-02-11 14:44社会

「大切な人の分まで生きて」=避難所に小6女児の手紙―被災者ら「涙出てきた」・能登地震

西岡愛望さんが被災者のために書いた手紙。石川県輪島市の小学校内に掲示された(大阪府警提供)
西岡愛望さんが被災者のために書いた手紙。石川県輪島市の小学校内に掲示された(大阪府警提供)

 「大切な人の分まで精いっぱい生きて」。能登半島地震で大きな被害が出た石川県輪島市の避難所に掲示された手紙が被災者らを勇気づけている。書いたのは、大阪市立磯路小学校の6年生、西岡愛望さん(12)。「読んだら涙が出てきた」などの言葉が寄せられている。
 愛望さんは手紙の中で、倒壊した家屋や寒さの中で避難生活を送る様子をテレビで目にし、「胸が痛くなりました。私はこんな暖かい家の中でご飯を食べてお風呂に入って寝ていることが情けなく思いました」などと、心情を吐露。「家族を失って、立ち直れていない人がいるかもしれません」とつづった上で、「その大切な人の分までしっかり、精いっぱい生きてください。まだ避難所生活が続くかもしれませんががんばってください!!」と締めくくっている。
 手紙は、堺市消防局の一員として輪島市入りした父親の位晃さんが、避難所になっていた小学校に届けた。大阪府警によると、災害派遣中の府警の警察官が小学校を訪れたところ、被災者から「この手紙を読んだら涙が出てきた」「本当にうれしい」などと声を掛けられたという。
 府警は5日、磯路小で特別授業を実施。愛望さんに被災者からの謝意を伝えるとともに、5、6年生の約120人に現地の様子などを語った。
 「将来は人を助けられる仕事をしたい」と話す愛望さん。春休みには被災地を訪れ、炊き出しの手伝いなど自分ができる支援をしたいと、位晃さんと相談しているという。 
[時事通信社]

記者の質問に答える西岡愛望さん=5日、大阪市港区
記者の質問に答える西岡愛望さん=5日、大阪市港区

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