2024-02-09 19:58社会

京アニ公判「きつかった」=遺族が講演で明かす

 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件で、亡くなった渡辺美希子さん=当時(35)=の遺族が9日、大阪府警本部で開催された犯罪被害者支援に関する会議で講演した。渡辺さんの母達子さん(73)は公判で他の遺族の証言を聞き、「いっぱいいっぱいになり、もう駄目だと何回も思った。やっぱりきつかった」と明かした。
 渡辺さんの兄勇さん(45)も講演し、「大切な命を奪った被告の言葉を聞きながら、理不尽だなと感じた」と振り返った。話を聞いてくれる人の存在がありがたかったといい、「つらそうにしている方がいたら、孤独にさせないような声掛けを」と訴えた。
 事件発生時は「自分が崩れてはいけない」という思いからカウンセリングを断ったが、その後体調を崩したという。そうした経験から、支援を拒む人がいても「もう一声掛けてほしい」と呼び掛けた。
 会議には被害者支援を行うNPO法人や大阪府、大阪府警などの関係者約55人が参加した。 
[時事通信社]

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