小澤征爾さん死去=世界的指揮者、88歳
![ウィーンの楽友協会で行われたニューイヤーコンサートで、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮する小澤征爾さん=2002年1月1日、ウィーン(AFP時事)](https://img.sp.m.jiji.com/image/out/20240209at83S_p.jpg?updated=1707863872)
ウィーン国立歌劇場音楽監督などを歴任し、戦後日本のクラシック音楽界をけん引した世界的指揮者、小澤征爾(おざわ・せいじ)さんが6日、心不全のため東京都内の自宅で死去した。88歳だった。葬儀は近親者で済ませた。後日お別れの会を開く予定。
1935年、旧満州(中国東北部)生まれ。桐朋学園女子高音楽科(共学)で指揮者の斎藤秀雄に師事。桐朋学園短大卒。59年に渡仏し、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。カラヤン、バーンスタインらの指導を受け、カナダ・トロント交響楽団指揮者、米サンフランシスコ交響楽団音楽監督などを歴任した。
73年から約30年間、米国で有数のボストン交響楽団の音楽監督を務め、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団をはじめとする欧州の名門楽団への客演も重ねた。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の2002年ニューイヤー・コンサートで指揮者に選ばれ、同年から10年までウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めた。
斎藤門下生を中心に結成したサイトウ・キネン・オーケストラは海外でも評価が高く、92年から長野県松本市で「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」を開催。15年からは「セイジ・オザワ松本フェスティバル」(OMF)に名称を変え、小澤さんが総監督に就いた。他にも水戸室内管弦楽団、小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトなどを通じ、若手育成に注力した。
10年にがんで食道を摘出。翌年に腰痛で手術を受けた後は、断続的に休養期間を挟みながら、そのたびに復帰を果たした。
16年、松本でのライブ録音「ラヴェル:歌劇『こどもと魔法』」で米グラミー賞(最優秀オペラ録音部門)を受賞。昨年9月には、OMFの公演に車いすで登場し、指揮を務めた米国の作曲家ジョン・ウィリアムズさんと旧交を温めた。
08年に文化勲章を受章。長女征良さんはエッセイスト、長男征悦さんは俳優。ミュージシャンの小沢健二さんはおいに当たる。
![食道がんの治療を終えて復帰した指揮者の小澤征爾さん。サイトウ・キネン・フェスティバル松本でチャイコフスキー「弦楽セレナード」の第1楽章を7分間指揮した=2010年9月5日、長野県松本市](https://img.sp.m.jiji.com/image/out/20240209at86S_p.jpg?updated=1707863872)
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