2024-02-09 12:33社会

「Sansan」社員装い、名刺情報入手=容疑で不動産会社次長逮捕―警視庁

警視庁本部=東京都千代田区
警視庁本部=東京都千代田区

 名刺管理サービス会社「Sansan」の社員を装い、他社の名刺情報を不正入手したとして、警視庁と愛知県警は9日までに、不正アクセス禁止法違反容疑で、東京都渋谷区の不動産販売会社「GRANDCITY(グランドシティ)」次長、片岡和真容疑者(37)=台東区小島=を逮捕した。容疑を否認しているという。
 同庁サイバー犯罪対策課によると、片岡容疑者は複数の部下に指示し、2022~23年、少なくとも十数社の名刺情報約400万件に不正アクセスした疑いがある。同課は会社ぐるみだった可能性についても調べる。
 逮捕容疑は22~23年、Sansanの社員を装い、同社のサービスを利用する企業の社員に「二要素認証のため、IDとパスワードを返信してほしい」と偽メールを送信。取得したIDなどで名刺情報にアクセスした疑い。
 Sansanは、取引先などの名刺情報をサーバーで管理するサービスを提供。利用する会社の社員は、個人に付与されたIDなどで社内の名刺情報を閲覧できる。
 同課によると、偽メールは、グランドシティ社の営業先に送信されていた。不正入手した名刺情報で営業し、成約したケースもあるという。
 Sansanと利用先の企業が23年3月ごろ、警視庁や愛知県警に相談して発覚した。
 同庁などによると、Sansanは不正を防ぐため、サービスを利用する企業に対し、管理サーバーへのアクセス状況の監視や接続できる端末の制限などを推奨。二要素認証のため、個人にIDやパスワードを回答するよう求めることはないという。 
[時事通信社]

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