バイデン氏、黒人支持の試金石=民主候補選び開始―米大統領選
【コロンビア(米サウスカロライナ州)時事】米大統領選の民主党候補選び初戦となる南部サウスカロライナ州予備選が3日、始まった。有力な対抗馬がいないバイデン大統領(81)の勝利が確実視されるが、同州での結果は2020年大統領選でバイデン氏の当選に貢献した黒人有権者の動向を占う試金石になる。11月の本選に向け、陣営は引き締めを図っている。
サウスカロライナは人口に占める黒人の割合が26.3%と、候補選び序盤戦が行われる州の中では高い。20年大統領選の指名争いで連敗していたバイデン氏は、この地で黒人票をまとめて初勝利を収め、指名獲得に弾みをつけた。
20年は黒人有権者の87%がバイデン氏に投票し、トランプ氏の12%を圧倒した。だが、政権発足3年を経て黒人有権者の支持は揺らいでいる。USAトゥデー紙などが今年1月に実施した世論調査では、黒人有権者のバイデン氏への支持は63%。トランプ氏は12%だったが、「第3政党の候補」が20%を獲得し、支持層が離反している現状が浮かび上がった。
民主党全国委員会は今回、バイデン氏の再選に向けた足場固めのため、候補選び初戦を例年の中西部アイオワ州からサウスカロライナ州へ変更した。バイデン氏は今年に入って2度現地入りし、「大統領になれたのは皆さんのおかげだ」と強調。連邦最高裁判事に初の黒人女性を任命したり、黒人教育への投資を増やしたりした成果をアピールした。
ただ、バイデン氏の勝利を織り込んだ予備選は熱気を欠き、州民主党関係者は「特に若い人の関心が薄い」と懸念。投票前最終日の2日、黒人女性初の副大統領となったハリス氏が同州オレンジバーグの大学を訪れ、「皆さんの声を届けて」と投票を呼び掛けた。
[時事通信社]
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