トランプ氏への「怒り」前面=バイデン氏、初戦州で異例の攻撃―米大統領選
【ワシントン時事】バイデン米大統領は27日、大統領選の民主党候補者指名争いの初戦として2月3日に予備選が行われる南部サウスカロライナ州で演説した。11月の本選で再び対決する可能性が高いトランプ前大統領が、退役軍人を「負け犬」と呼んだことに触れ、「よくもそんなことを。唯一の負け犬はトランプだ」と怒りを込めて非難。異例の攻撃的内容となった。
バイデン氏はトランプ氏への批判を一段と加速させている。背景には、81歳というバイデン氏の年齢を不安視する、支持層の熱量の低さへの懸念がある。米メディアによると、同氏周辺は、トランプ氏を倒せる唯一の候補として「怒れるバイデン」像をもっと打ち出す必要があると進言していた。
ただ、演説はイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦を求める聴衆の妨害により、たびたび中断された。パレスチナ側で民間人の犠牲が拡大していることを受け、イスラエルを支援するバイデン氏にはリベラル派から非難が殺到。このところ演説は毎回のように抗議に見舞われ、中東政策が再選に向けた大きな懸念材料として浮上している。
一方、トランプ氏はこの日、西部ネバダ州で演説。バイデン政権下でメキシコ国境からの移民が急増したことに焦点を当て、「最も影響を受けるのは黒人、次がヒスパニックだ」と強調した。自身が返り咲けば「史上最大の移民送還作戦」を実現するとも約束し、民主党支持の傾向が強い人種的少数派(マイノリティー)にアピールした。
[時事通信社]
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