かすむ「新星」背水の陣=デサンティス氏、不振なら撤退も―米大統領選
【デモイン(米アイオワ州)時事】11月の米大統領選に向けた共和党候補者選びが、15日の中西部アイオワ州党員集会から始まる。党内でトランプ前大統領に代わり得る次世代のリーダーと目されていたデサンティス・フロリダ州知事(45)は、ここにきて勢いが減退。初戦に全てを懸けてきただけに、結果を残せなければ早期撤退も視野に入る。
「トランプは自分のため、私は皆さんのために立候補した。この国の政治を変えるチャンスだ」。デサンティス氏は11日、氷点下10度の寒さの中、アイオワ州クライブの選挙集会で語気を強めた。
軍務経験や知事として新型コロナウイルスの大流行に対処した実績を引っ提げ、昨年5月に出馬を表明。全99郡を訪れるなど、アイオワに選挙活動や資金を集中させてきた。集会に参加したエイミー・マイヤーさん(51)は、人工妊娠中絶の規制強化などデサンティス氏の保守的な政策を評価。「必ず投票する」と期待を寄せる。
だが、「人付き合いが苦手」(米メディア)とされるデサンティス氏は、有権者や記者団とのやりとりでぎこちない姿を見せ、カリスマ不足も露呈。党の討論会では応答要領を繰り返す姿が目立ち、ヘイリー元国連大使ら他候補に見せ場を奪われた。陣営内の不和で関係者が何人も辞任し、直前まで混乱が続いた。
トランプ氏と支持層が重なるデサンティス氏は、挑戦者でありながら前大統領への厳しい批判を回避。有権者から「トランプに甘い」とただされながら、最終盤で矛先を向けたのは2位の座を争うヘイリー氏だった。
サフォーク大が6~10日にアイオワで共和党支持者を対象に実施した世論調査によると、支持率はトランプ氏が54%、ヘイリー氏が20%、デサンティス氏は13%。次戦以降もヘイリー氏の先行が伝えられる中、バージニア大の選挙分析チームは、初戦で3位に終わればデサンティス氏は「指名争いに残る正当性を失う」と解説した。
[時事通信社]
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