自治政府議長ら、攻撃停止訴え=イスラエル首相、ハマス打倒で「良い未来」
【エルサレム時事】パレスチナ自治政府のアッバス議長は10日、訪問先のヨルダン南部アカバでアブドラ国王とエジプトのシシ大統領との会合に出席し、イスラム組織ハマス壊滅を掲げてイスラエル軍が侵攻するパレスチナ自治区ガザの情勢について話し合った。ヨルダンのペトラ通信によると、3者はガザに対する攻撃停止と民間人保護を促すため、イスラエルに圧力をかける必要性を改めて表明。イスラエルによるガザの再占領に警鐘を鳴らした。
アッバス氏はこれに先立ち、パレスチナ自治区ラマラでブリンケン米国務長官と会談し、イスラエルの攻撃停止や支援物資の搬入加速のほか、戦闘終結後のガザの統治について協議。腐敗が指摘される自治政府の改革に関しても話し合った。ブリンケン氏は会談後、記者団に「アッバス氏が(改革に)取り組む用意があることは明らかだ」と期待を示した。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相は英語のビデオ演説を公開し、「イスラエルにはガザを恒久的に占領したり、市民を立ち退かせたりする意図はない」と強調。民間人を戦闘の対象にせず、国際法を順守していると説明した。また、ハマスが排除されてガザが非武装・非急進化されれば、「イスラエル人とパレスチナ人にとって良い未来」になる可能性があると語った。
パレスチナ赤新月社は10日、ガザ中部で救急車がイスラエル軍の攻撃を受け、隊員や搬送中の負傷者ら計6人が死亡したとX(旧ツイッター)に投稿した。声明で、イスラエル軍が医療機関や負傷者を組織的に標的にしていると指摘。「継続して国際人道法を破っている」と非難した。
[時事通信社]
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