高島屋、崩れたケーキで謝罪=破損807件、原因特定できず
高島屋がオンラインで販売したクリスマスケーキが崩れた状態で購入客に届けられた問題で、同社の横山和久専務は27日、記者会見し、「多くのお客さまの期待を裏切る結果となり、深くおわび申し上げる」と謝罪した。破損件数は26日午後8時時点で807件。製造や配送の委託先を調査した結果、「原因の特定は不可能」と結論付けた。
問題があったのは「〈レ・サンス〉ストロベリーフリルショートケーキ」(5400円)で、2879個を予約販売した。高島屋は製造を菓子会社ウィンズ・アーク(埼玉県羽生市)に、配送をヤマト運輸にそれぞれ委託。冷凍状態で購入者に配達されたが、23日ごろからSNSに崩れたケーキが届いたという写真付きの投稿が相次いだ。
高島屋が委託先に聞き取り調査をしたところ、製造工程や保管、配送時の温度設定に問題はなかった。横山氏は「どこかで何らかの原因があったと考えているが、全く同じ状況を再現することは困難だ」と説明。一方、「崩れやすい形状の商品にもう少し注意を払って臨むべきだった」とも語った。再発防止策として、委託先に出向き管理状況を確認する体制を強化することを挙げた。
高島屋は昨年も同じケーキを販売した。当時の製造工程では凍結期間が2週間だったのに対し、今年はイチゴの入荷遅れで20~25時間に大幅短縮されたという。同社によると、事前の試験やサンプル調査でも規定の温度をクリアし、凍結状態を確認できた。
購入者からの申し出や問い合わせは26日までに1207件あり、返金などの対応をしているという。
東京都の女性美容師(40)は23日夕、ケーキの箱を開けて「何これ」と思わず声を上げた。上部から側面にかけ生クリームが大きく崩れており、「有名デパートだから安心と思っていた。楽しみだっただけにショックが大きい」と話す。
女性は配送直後に高島屋に電話し、代替品を届けるよう求めたが、「返金する」と素っ気ない対応だった。27日の会見で、高島屋が原因を特定できないとした点については「企業として食の安全をどう考えているのか」と憤った。
[時事通信社]
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