2023-12-19 20:01国際

極寒の深夜「布団で外へ」=凍える被災者、救助急ぐ―中国地震

 【北京時事】「波が押し寄せるような揺れだった。裸の体に布団をまとって屋外へ逃げた人もいた」。中国内陸部の甘粛省で起きた地震は、耐震性の低い住宅の倒壊に加え、発生時間が深夜だったことで被害が拡大した。一夜明けた19日、厳寒の被災地では懸命の救助活動が続いた。
 震源地である同省臨夏回族自治州積石山県の住民は中国メディアに、「揺れは強烈で、すぐに家族と16階の自宅から駆け下りた。外はマイナス12度前後だった」と振り返った。別の住民は「自宅に亀裂が入り、付近の家屋は倒壊した。車中を拠点にして安全な場所を探している」と話した。たき火で暖を取る被災者の様子も伝えられている。
 甘粛省では15万以上の家屋などに被害が確認されている。れんがと木材などを組み合わせた弱い構造物が多かったようだ。救助隊の隊長はメディアに「(生存率が高いとされる)救助時間は通常なら72時間だが、今回はより短くなる。低温が大きなリスクだ」と指摘した。
 中国は強い寒波に見舞われている。中央気象台の予報では、標高が高い震源地付近では今後も最低気温がマイナス10度を下回る日が続く。 
[時事通信社]

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