「殺してやると言われた」 トルコサッカーの暴行事件で被害の主審
【イスタンブールAFP=時事】サッカートルコ1部リーグの試合で、主審がクラブチームの会長に殴打された事件をめぐって12日、被害を受けた主審や暴行に及んだ会長、レジェプ・タイップ・エルドアン大統領がコメントを発表した。≪写真は、サッカートルコ1部リーグのアンカラグジュ対チャイクル・リゼスポル戦後、アンカラグジュのファルク・コカ会長〈左〉に暴行を加えられ、ピッチに倒れるハリル・ウムト・メレル主審≫
事件が起こったのはアンカラグジュ対チャイクル・リゼスポルの試合終了直後。アンカラグジュのファルク・コカ会長ら数人がピッチへ入り、ハリル・ウムト・メレル主審の顔を殴打した。コカ会長は、自チームの選手が退場処分を受け、そこから同点ゴールを許して引き分けに持ち込まれたことに怒っていたとみられる。
コカ会長ら3人は勾留された。リーグは無期限中断となり、トルコサッカー界は深刻な危機に陥っている。
主審は倒れ込んだ後に蹴りを入れられ、立ち上がったときには目の周りにあざができ、顔の左側が腫れ上がっていた。病院へ運び込まれたメレル主審はその後、「ファルク・コカは私と他の審判に対して、『お前らは終わりだ』と言い、特に私は『殺してやる』と言われた」と明かした。
この件では、エルドアン大統領が病床の主審に電話をかけている動画を内務省が公開した。深い遺憾の意を表し、一刻も早い回復を願った大統領は「友人と内相、法相、その他すべての関係する友人に、必要な措置を取るよう伝えた」と話している。
コカ会長は12日遅くに辞任し、審判やスポーツ関係者に謝罪したが、「(判定が)ひどく不当で間違っていようと、私の犯した暴力行為を正当化、あるいは説明することはできない」と述べ、チームが主審に不当に扱われたとする主張は変えなかった。【翻訳編集AFPBBNews】
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