仏大統領府でユダヤ教儀式、政教分離めぐりマクロン氏に批判集中
【パリAFP=時事】フランスのエマニュエル・マクロン大統領は8日、首都パリのエリゼ宮(大統領府)でユダヤ教の儀式を行わせたことについて、政教分離を定めた法律に反していると批判を受け、釈明に追われた。≪写真はエマニュエル・マクロン大統領≫
マクロン氏は反ユダヤ主義に反対する姿勢を評価され、大統領府で7日に行われた授賞式で賞を授与された。その際、同国のラビ(ユダヤ教指導者)長のアイム・コルシア師は、マクロン氏が見守る中でユダヤ教の祭式「ハヌカ」に用いられるろうそくに火をともした。
極左の重鎮マニュエル・ボンパール氏はX(旧ツイッター)で、マクロンは「許し難い政治的過ち」を犯したと非難し、緑の党のサンドリーヌ・ルソー議員も同じくXで、「エリゼ宮で宗教的儀式を行わせることなく国内のユダヤ人社会を支援することもできたはずだ」と指摘した。
しかし、最も強い反応を示したのは、フランスのユダヤ人統括組織の代表だった。
フランス・ユダヤ系団体代表協議会のヨナタン・アルフィ代表は、大統領府でハヌカを行ったのは「過ち」だと述べた。
国内のシュド・ラジオに対し、「宗教的なものとの分離はフランス共和国のDNAに刷り込まれている」ため、今回の出来事には「驚かされた」と話し、「フランスのユダヤ人は常に世俗主義を保護と自由の法と見なしてきた」「世俗主義が形骸化すれば、フランスのユダヤ人の立場も弱まる」と批判した。
8日にパリのノートルダム大聖堂を視察したマクロン氏はこうした批判について、大統領府での式典開催は「共和国と調和の精神にのっとって」許可したもので、「一切」後悔はしていないと主張。自身は、宗教的な儀式や式典には参加しなかったと述べた。
「世俗主義を軽視」する可能性はあったとしながら、「そういう事態は起きなかった」と強調した。【翻訳編集AFPBBNews】
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