打者受難の時代に=データ面充実が一因―プロ野球・投高打低(1)
近年のプロ野球では「投高打低」と呼ばれる現象が顕著だ。160キロの速球を投げる投手が出現し、一級品の変化球の使い手も少なくない。投打のレベルに格差が生まれてきている。
この傾向が明確に出たのが昨季で、史上16人目の完全試合を成し遂げた佐々木朗希(ロッテ)を含め、無安打無得点試合(ノーヒットノーラン)は年間最多に並ぶ5人が達成。年間4人以上の達成は1940年代に2度あっただけで、異例のシーズンといえた。
今季、ノーヒットノーランは「毎試合ベストパフォーマンスを」という山本由伸(オリックス)が2年連続で記録するなど2人がマーク。一方、セ、パ両リーグで打率3割台は5人だけ。パの本塁打王は11年ぶりに20本台となる26本(3人が獲得)で、打者の低調ぶりが目立った。
一因とされるのがデータ面の充実。「トラックマン」などの弾道測定器の浸透が挙げられる。投球の回転軸や変化量、打球の速度や角度を把握でき、選手は数値でパフォーマンスを確認、改善に生かせる。
投手と打者の対戦で主体となるのは常に投手。昨今の流れが生まれているのは、打者が投手の進化に追いつけずにいるという見方もできる。
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時代が移り変わるのは、野球界も例外ではない。テクノロジーやデータの活用が当たり前となった現代野球の、投高打低の背景を探った。
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