2023-12-09 22:31政治

松野官房長官を更迭へ=岸田首相打撃、内閣改造論も浮上―高木氏、辞任不可避の見方

 岸田文雄首相は、自民党安倍派が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していた問題で、1000万円超の還流を受けた疑いがある松野博一官房長官(61)を交代させる方針を固めた。事実上の更迭とみられる。政府・与党関係者が9日明らかにした。同派の世耕弘成参院幹事長や高木毅国対委員長ら党幹部にも疑惑が拡大。首相の任命責任が厳しく問われ、深刻な打撃となるのは必至だ。
 首相は9日夜、首相公邸で麻生太郎党副総裁と会談。人事に関し、意見交換したとみられる。
 政権内には松野氏以外も含め内閣改造・党役員人事を行う案が浮上している。首相は13日の臨時国会会期末や今月下旬の2024年度予算案の閣議決定もにらみながら人事のタイミングを探るとみられる。派閥実務を取り仕切る事務総長の高木氏について、党内で「辞任は避けられない」との見方が強まっている。
 安倍派はパーティー券のノルマを超えて所属議員が売った収入を政治資金収支報告書に記載せず議員側に還流させた疑いがあり、東京地検特捜部が捜査している。9日新たに同派の塩谷立座長、萩生田光一政調会長、西村康稔経済産業相の還流疑惑が表面化した。
 世耕氏は9日、京都府宇治市で記者団に「疑念を持たれることは政治不信につながる。国民に深くおわびしたい」と陳謝。進退については「職責を全うしていきたい」と述べ、参院幹事長の辞任は否定した。一方で「私の発言が捜査に影響を与えてはいけない」と詳細な説明は避けた。
 問題発覚以降、松野氏は「政府の立場」を理由に説明に応じず、8日の衆参予算委員会でも、自身の政治団体について「適正に処理してきた」としながら、具体的な内容は「答えは控える」と繰り返した。立憲民主党の泉健太代表は静岡市内で記者団に「身を引く決断をすべきだ」と述べ、速やかな辞任を要求した。 
[時事通信社]

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