胎児に重篤な先天性疾患、中絶求め州を提訴 米テキサス
【ヒューストンAFP=時事】米テキサス州で妊娠中の胎児に先天性疾患が見つかった女性が5日、人工妊娠中絶の許可を求め、州を提訴した。女性と医師は、中絶しなければ母体に危険が及び、将来妊娠できなくなる恐れもあると主張している。≪写真は、人工妊娠中絶を求めて米テキサス州を提訴したケイト・コックスさん。本人提供≫
訴状によると、ダラス・フォートワース都市圏在住の2児の母、ケイト・コックスさん(31)は先週、現在妊娠中の胎児が染色体異常による先天性疾患「フルエドワーズ症候群」であることを知った。胎児は出産前に死亡する確率が高く、生まれても数日しか生きられないという。
超音波検査では、背骨がねじれ、頭骨と心臓の発達に異常があるなど、複数の重篤な症状が見つかった。
コックスさんの代理人を務める「性と生殖に関する権利センター」が提出した訴状によると、テキサス州では州法で中絶が禁止されているため、医師らは子宮内で胎児が死なない限り「何もできない」とコックスさんに伝えた。
胎児の心臓が止まった場合には、医師から陣痛誘発剤の使用を提案できるが、コックスさんは帝王切開を受けたことがあるため、陣痛誘発剤で子宮が裂ける可能性があり、子宮摘出や命にかかわる危険がある。
コックスさんは「これは、わが子に別れを告げなければならないか否かという問題ではなく、いつ告げるかという問題だ。私は子どもと自分自身にとって最良の選択を望んでいるが、テキサス州は私たち両方に苦痛を与えている」と主張した。
原告側にはコックスさんの夫と産婦人科医も名を連ねている。夫は妻の中絶のほう助を問われて訴追されることのないよう、法的な確約を求めている。また産婦人科医は、裁判所の許可があれば中絶術を行う用意があるとしている。
米最高裁は2022年6月、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた判決を覆す判断を下した。
テキサス州は、レイプや近親姦による妊娠でも中絶を認めない厳格な中絶禁止法を施行。また中絶手術を受けた本人だけでなく、中絶に協力した人を市民が告発できる州法がある。中絶手術を行った医師に対しては、99年以下の禁錮と10万ドル以下の罰金が科された上、医師免許が剥奪される可能性がある。【翻訳編集AFPBBNews】
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