2023-12-05 18:37政治

被害者救済法案、今国会成立へ=財産監視強化、立維も賛成―旧統一教会問題

旧統一教会被害者救済法案への賛否
旧統一教会被害者救済法案への賛否

 自民、公明、国民民主3党が共同提出した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済に向けた特例法案の修正案は5日の衆院本会議で、賛成多数で可決、参院に送付された。対案として特別措置法案を出していた立憲民主、日本維新の会2党も賛成した。れいわ新選組は反対した。参院での審議を経て今国会で成立する見通しだ。
 法案は政府の解散命令請求を踏まえ、教団が救済原資となる財産を海外に移転させかねないとの懸念が高まったことを受けて提出された。衆院通過を受け、松野博一官房長官は記者会見で「被害者の速やかな救済が図られるよう最大限努力したい」と語った。
 自公国案は教団財産の監視を強化するため、不動産処分時の行政機関への事前通知を教団に義務付けられるようにするのが柱。日本司法支援センター(法テラス)による支援拡充も盛り込んだ。これに対し、立維案は教団財産の包括的保全を可能にする内容で、与野党5党は4日まで、法案の一本化協議を続けたが、折り合わなかった。
 本会議に先立つ5日の衆院法務委員会では、自民が施行後3年をめどに「財産保全の在り方を含め」て検討するなどと記した修正案を提出。立民は審議で「3年後は悠長」「包括的保全が必要」と指摘し、自民は「課題が生じた場合は3年を待たない」「実効的な方策が検討の選択肢となり得る」と説明した。
 立民、維新両党は法務委の採決で、自公国案の原案には反対する一方、修正部分には賛成した。立民の安住淳国対委員長は記者団に対し、自民側の修正と答弁の内容を踏まえれば「(財産保全への)足掛かりになる」と評価。維新の馬場伸幸代表は党会合で「一歩ずつ前進する」と語った。
 一方、立維案は反対多数で否決された。国会を傍聴した被害者の中野容子さん(仮名)は記者団に「統一教会の意向通りになった。本当に残念で怒りを感じる」と述べた。
 特例法案の修正案は7日の参院法務委で審議入りし、会期末の13日に成立する見込みだ。 
 
 ◇被害者救済法案のポイント
 一、教団は不動産処分を事前通知
 一、財産目録を3カ月ごとに提出
 一、被害者は資力にかかわらず法テラス活用
 一、3年間の時限立法、延長可能
 一、3年後めどに財産保全含め検討

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