差別発言の英王族名指し、著者否定
【ロンドンAFP=時事】英国のヘンリー王子と妻のメーガン妃の子どもの肌の色を問題視したとされる王族について、伝記作家オミッド・スコビー氏は新著で名指ししていないと主張した。≪写真はスコビー氏の新著「Endgame」≫
スコビー氏の新著「Endgame」のオランダ語版は、問題発言をしたとされる王族2人の名前が記載されていたため、発売中止に追い込まれた。
ヘンリー王子夫妻はこの王族が誰なのかを明らかにしていないにもかかわらず、同書の発売中止をきっかけにこの問題をめぐる臆測が再燃した。
英大衆紙の元編集者で、ヘンリー王子夫妻をたびたび批判してきたピアーズ・モーガン氏は11月29日、自身が司会を務めるテレビ番組「ピアーズ・モーガン・アンセンサード」で、問題発言をしたのはチャールズ国王とキャサリン皇太子妃だったと名指しした。
一方で、「そのような発言があったという実際の証拠が出るまでは、私は決して信じない」とも述べた。
スコビー氏は翌30日夜、BBCテレビに対し、自身の英語の原著では2人の王族の名前を挙げていないと主張。
「私が書き終えて署名した版にはその人物の名前はない」とし、この騒動についてはソーシャルメディアで知り、「オランダの出版社から翻訳上のミスがあったと聞かされた」と語った。
オランダ語版の翻訳者は、送られてきた原稿に名前が記載されていたと主張している。しかし、スコビー氏は法的な理由から記載しなかったと主張。王室の未来を見据えた新著では、名前を挙げる必要性を感じなかったとも説明した。
BBCをはじめ、英国内外の主要メディアは、モーガン氏の発言やオランダ語版書籍を情報源として、問題発言をしたとされる王族はチャールズ国王とキャサリン皇太子妃だと報じている。
王室関係者はAFPの取材に対し、モーガン氏の発言について「あらゆる選択肢を検討している」と回答した。
しかし法律の専門家は、裁判沙汰になって発言者が正式に公表される事態を考えると、王族が名誉毀損(きそん)で訴える可能性は低いと指摘した。【翻訳編集AFPBBNews】
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