戦闘休止のガザ、住民の自宅は廃虚に
【アバサン(パレスチナ自治区)AFP=時事】パレスチナ自治区ガザ地区のイスラエルとの境界に近い村で、チーズのサンドイッチを朝食にする家族。メニューは普段と変わらないが、それを食べる自宅は廃虚と化している。≪写真は、パレスチナ自治区ガザ地区ハンユニスの東方にある村で食事を取る住民≫
ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が一時休止され、戻ったわが家の壁は崩れ、家具や家電はコンクリートのがれきに埋もれていた。
家族9人で避難していた南部ハンユニスの学校から、自宅のあるアバサンまで徒歩で帰ってきたという女性(46)は、「家は完全に破壊されていた。27年間かけて建てたのに何も残ってない」と嘆いた。
「2日間は食事が喉を通らなかった。でも生き続けなければと自分に言い聞かせた」と言う女性は、子どもたちの方を見ながら「家は壊されても子どもたちは生きている。一度建て直したものなのだから、また建て直せる」と語った。
通りの反対側では男性が、自宅の跡を見つめて立っていた。「私たちはみんな農民かタクシー運転手だ。レジスタンス(ハマス)とは何の関係もない」
近くには廃材や布を集めて仮設の小屋を造る男性(46)がいた。「戦争が終わったら、妻と7人の子どもたち、そして母と一緒にここへ戻って来る」。それぞれ7人の子を持つ兄弟も「血のにじむ思いで建てた家を失った」ため、テントがさらに必要になるだろうと話した。
息子のアブデサマド君(12)が、電灯と薪になる木を見つけたと言って駆け寄ってきた。子どもたちは、やはりイスラエル軍に空爆された国連学校のそばで地面に座って遊んでいた。
「戦争は本当に怖かった。でもいいこともある」と言ったのは、友達のナビル君(8)だ。両親に聞かれたら困ると笑いながら「学校も壊されたから、しばらく行かなくていいんだよ」と話した。【翻訳編集AFPBBNews】
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