2023-11-28 16:40World eye

「クリミアの財宝」ウクライナに返還 裁判所決定受けオランダ博物館

【キーウAFP=時事】ロシアによる2014年のウクライナ・クリミア半島併合前にオランダの博物館に貸し出されていた考古学的遺物が27日、ウクライナに返還された。≪写真はクリミア半島の墓から見つかった、鹿をかたどった1世紀ごろの黄金のペンダント。オランダのアラード・ピアソン博物館提供〈資料写真〉≫
 返還されたのは「スキタイの黄金」と呼ばれる財宝コレクション。2014年、オランダ・アムステルダムのアラード・ピアソン博物館に貸し出されていた。
 クリミアの博物館4施設は、コレクションの返還を求めてそれぞれ訴えを起こしていたが、今夏、オランダの裁判所がウクライナへの返還を支持する決定を下した。
 ウクライナ史歴史博物館(NMHU)は「約10年に及んだ裁判を経て、クリミアの4博物館のコレクションがウクライナに戻ってきた」とのメッセージをホームページに掲載。「(ロシアによるクリミアの)実効支配が終わるまでコレクションはNMHUで保管される」としている。
 ウクライナの税関当局は、総重量2694キロの宝飾品を検査するとしている。コレクションには約2000年前のものも含まれている。
 ウクライナのロスティスラフ・カランデエフ文化情報相代行は返還を受け「偉大な歴史的勝利」と歓迎。「今日、歴史や伝統、歴史的遺産の保全・保護は非常に重要だ。われわれはまさにそのために戦っている。自らのアイデンティティーと自由のためだ」と述べた。
 一方、ロシア政府報道官は26日、「コレクションはクリミアに帰属する。クリミアに戻されるべきだ」とコメントした。【翻訳編集AFPBBNews】

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