ダブリンで子どもら刺傷、事件への抗議デモが暴動に発展
【ダブリン(アイルランド )AFP=時事】アイルランドの首都ダブリンで23日午後1時30分(日本時間同午後10時30分)ごろ、学校近くで子ども3人が刃物を持った男に襲われ、5歳の女児が重傷を負った。成人女性と容疑者も負傷し、全員病院に搬送された。≪写真はアイルランド・ダブリンで、学校の外で子どもが刺されてけがをした事件を受け行われたデモで燃やされた車やバス≫
ダブリンでは同日、事件に対する抗議デモが行われたが、一部の参加者が暴徒化し、機動隊と衝突した。リフィー川に架かるオコンネル橋の近くでは車やバスが放火され、主要な繁華街では略奪が起きた。
警察幹部によると、夜中にはダブリン市内は落ち着きを取り戻した。重傷者は報告されていない。
メディアや目撃者によると、ナイフを持った男が学校の外にいた5~6歳の子ども3人を刺した。
通りの反対側にいた女性は公共放送RTEに対し、現場は「大混乱」に陥ったと話した。
「何も考えずに道を渡って助けに行った」と語った。「若い男性が(容疑者から)刃物を取り上げた。別の男性は刃物を片付けた」。また数人がかりで容疑者を地面に押さえ付けたという。
警察は容疑者について50代の男とのみ発表している。テロとは関係ないが、「要注意人物」として知られていたという。
ソーシャルメディアでは加害者は移民だといううわさが出回り、これが暴動をあおったとみられている。
ダブリン警察のドリュー・ハリス署長は、暴動は「極右思想に突き動かされた完全にばかげた派閥」によるものとし、「誤情報」に惑わされないように警告した。
デモ隊の中には、アイルランド国旗や「アイルランド人の命は大切だ」と書かれたプラカードを持ちながら、移民が多く住む地区を行進した参加者もいた。ある参加者はAFPに「アイルランド人がああしたクズどもに襲われている」と話した。
アイルランドは慢性的な住宅危機に陥っており、政府の推計では一般市民向けの住宅が数十万戸不足している。
こうした事情を背景にした不満が難民認定申請者や難民に対する反発につながっている。また極右勢力は「アイルランドは満員」であると主張し、集会やソーシャルメディアで反移民感情をあおっている。【翻訳編集AFPBBNews】
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