2023-11-18 00:27国際

イスラエル、燃料搬入を容認=ガザへ1日2台、米国が要請

 【エルサレム時事】イスラエルのネタニヤフ首相らで構成する戦時内閣は、人道危機が深刻化しているパレスチナ自治区ガザで極度に不足している燃料の搬入を容認することを決めた。地元メディアが17日伝えた。米国の要請を受け入れたという。イスラエル側は、交戦するイスラム組織ハマスに渡る可能性を警戒し、封鎖するガザへの燃料搬入を拒んできた。
 ガザとエジプトの境界にあるラファ検問所を通じ、1日トラック2台分に限って認める。国連が行う飲料水の供給や下水処理などの維持補修のための発電に使われる見通し。ガザでは衛生状況の悪化で感染症流行も懸念されており、燃料の搬入で「ガザ住民やイスラエル部隊への被害を抑え、イスラエル領内へのまん延を防ぐ」狙いがあるとしている。
 ハネグビ国家安全保障顧問は17日、「感染症が広がれば戦闘を止めざるを得ない」と述べ、ハマス壊滅を進めるための決定だと強調。一方、極右政党党首のスモトリッチ財務相は「重大な過ちだ。敵に『酸素』を与えることになる」と反発した。
 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は16日、ガザでは燃料切れの影響で通信が途絶し、ラファ検問所を介した人道支援活動が17日は不可能になったと表明していた。イスラエルとしては人道に配慮する姿勢を示し、国際社会の批判を和らげたい思惑もあるとみられる。 
[時事通信社]

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