「力で解決」に重い責任=尹大統領を罷免―韓国
「非常戒厳」宣言を巡り弾劾訴追された韓国の尹錫悦大統領が罷免された。尹氏は弾劾審判で、戒厳宣言は野党の「暴走」を国民に知らせるための「切迫した訴え」だったと主張。2017年に罷免された朴槿恵元大統領とは異なり、審理の延長を試みるなど、徹底抗戦を図った。しかし、思い通りに政治を進められない鬱憤(うっぷん)を力で解決しようとした重い責任を免れることはできなかった。
1987年の民主化から40年がたとうとする中での唐突な非常戒厳宣言は、韓国国民を動揺させ、社会に混乱をもたらした。尹氏弾劾を巡り与野党や世論の対立は極度に深まった。トップ外交は事実上ストップし、国際的な信用にも大きな傷が付いた。
尹氏は戒厳がすぐに解除されたことから「何も起こらなかった」と正当化し、野党の横暴に責任を転嫁。尹氏の主張を聞いた支持者らは「啓蒙(けいもう)」されたと語り、弾劾反対運動を活発化させたが、軍を国会に動員した事実は変えられない。
ただ、政府高官らの弾劾訴追をやみくもに続けて尹政権を追い込む野党の姿勢も、話し合いにより問題解決を図る健全な民主主義の姿とは程遠かった。罷免を受け60日以内に新たなリーダーが選ばれる。与野党どちらが政権を握ったとしても、「民主主義の回復」という重い課題が課せられる。(ソウル時事)
[時事通信社]
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