チベット、増える観光客=外国人は1%以下、狭い門戸

【ラサ(中国チベット自治区)時事】中国のチベット自治区を訪れる観光客数が急増している。区都ラサ市内ではカメラを持った観光客の姿が目立つ。ただ、大半は国内客で、外国人の姿はまばらだ。厳しい入境規制が門戸を狭めている。
「観光業をますます発展させる」。ラサを訪れた記者は各地でこんな話を聞いた。自治区の担当者によると、2024年の観光客数は前年比15.8%増の6389万人と過去最多を更新。新型コロナウイルス禍前の19年比で1.5倍超に増えた。観光収入も伸びており、関連産業は現在、域内総生産(GDP)の約3割を占めているという。
だが、観光客数全体の1%以下にとどまる外国人客の受け入れについて、当局は規制緩和に慎重な姿勢のままだ。自治区の徐志涛副主席は28日、ラサ市内で記者会見し、外国人の訪問を「歓迎」すると表明した。一方で、「チベットは特殊な地理的条件に置かれており、受け入れ能力の問題もある」とも強調。旅行会社を通した入域許可証の事前取得を外国人に義務付ける現行制度を当面続ける考えを示唆した。
英BBC放送はこれまで、規制の背景に「政治的な理由がある」との見方を伝えている。北京駐在の欧州メディア記者は、08年に自治区内で独立などを求める騒乱が発生して以降、外国人の入境規制が一段と厳しくなったと指摘。「外国人による独立運動への支援を警戒しているのではないか」と語った。
日系旅行大手幹部は、自治区内には、世界遺産のポタラ宮や世界最高峰のエベレストといった豊かな観光資源があると指摘。自由な渡航が認められるようになった場合、日本でも「間違いなく人気が出るはずだ」と話した。
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