北陸新幹線延伸1年、各地で祝う=能登復興へ期待も―福井、石川
北陸新幹線の金沢―敦賀間延伸開業から1年を迎えた16日、沿線各駅で記念イベントが開催された。福井、金沢両駅では両県知事がそれぞれあいさつし、駅長らと出発する列車を見送った。
福井駅では並行在来線の開業1周年式典も開かれ、杉本達治知事が「地域に愛される県民鉄道を目指して頑張っていく」と述べた。コンコースでは子ども向けの乗務員らの制服着用体験や、紅白まんじゅうの配布などが行われ、大勢の人でにぎわった。
同駅近くで日本料理店を約30年営む杉田泰英さん(60)は「東京からの来客が明らかに多くなった」と言う。一方、敦賀での乗り換えが必要になった関西方面からの客は減っているとして、「早く大阪までつながれば」と話した。
今月は北陸新幹線として開業10年の節目でもあり、金沢駅では15日、昨年1月の地震で大きな被害を受けた能登地方の郷土芸能「御陣乗太鼓」などが披露された。
イベントを企画した金沢市観光政策課の善家正人さん(54)はこの10年について、「訪れる人が格段に増え、『本当の日本を感じられる場所』として訪日客の間でもブランド力が高まった」と分析。オーバーツーリズム(観光公害)が課題として顕在化する中、「市民と観光客が良い形で共存できるよう先手を打ちたい」と語った。
駅を訪れた同市の岡田緑さん(61)は、金沢の活況の一方で地震からの復興の遅れが気になると言い、「能登に思いをはせ続けてほしい」と願った。
[時事通信社]
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