動画配信、「投げ銭」で収益=ファンが応援、推し活感覚―獲得額を競うイベントも

東京・高田馬場の路上で刺され、死亡した佐藤愛里さん(22)は、動画配信で生計を立てていた。アプリを使って動画を配信する人は「ライバー」とも呼ばれ、楽器演奏やランニングなど、特技や趣味に関して発信する人が多い。ファンの視聴者からチップとして送られる「投げ銭」を収入の柱にする配信者もいる。
長野県に住む女性は、2022年に動画配信を始めた。人と話すのが好きで、興味を持ったことがきっかけだった。
飲酒しながら視聴者から寄せられるコメントを読み上げ、育児などについて話すのが主なスタイル。視聴者の多くは男性だ。ほぼ毎日2時間ほど自宅から配信し、投げ銭により月35万~50万円ほどの収益を得ているという。「収入は安定していて、会社に勤めているような感覚。稼げる間は続けるつもり」と語る。
配信アプリは、配信者が受け取った投げ銭額や、視聴者が個々にどれだけの金額を送ったかがほかの人に分かる仕組みになっている。ランキング形式で、投げ銭の獲得額を競うイベントなどもあり、一度の配信中に数百万円が送られる配信者もいるという。女性は、投げ銭について「『(好きな配信者に)恥をかかせたくない』『周りに見えを張りたい』という思いがある。推し活に近い」と話す。
ただ、視聴者の中には、配信者に恋愛感情を抱き、「好きになった」「お金をあげるから会えない?」などとメッセージを送る人もいる。恐怖を感じたこともあるという女性は、日頃から、住所や本名などの個人情報がばれないように気を付けているという。
[時事通信社]
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