不法移民の取り締まり拡大=トランプ政権、犯罪歴問わず
【ワシントン時事】トランプ米大統領が最優先課題に掲げる不法移民の取り締まりが全米に広がっている。28日には全米最大の都市ニューヨークで大規模な拘束作戦を実施。トランプ政権は対象者の犯罪歴にはこだわらない姿勢を明確にし、「米史上最大の強制送還作戦」を進める構えだ。
移民税関捜査局(ICE)は28日、不法移民969人を拘束したと公表。トランプ氏就任以降の拘束人数は計4500人を超えた。
ノーム国土安全保障長官は28日早朝に行われたニューヨークでの取り締まりに参加。犯罪歴のある不法移民を拘束する様子を収めた動画をSNSに投稿し、「このような人間のくずどもを今後も街から排除し続ける」と息巻いた。ニューヨークでは他の連邦政府機関も参加し、約20人を拘束したという。
ワシントン・ポスト紙によると、ICEに対してはトランプ政権高官から「1日当たり少なくとも1200~1500人」の拘束ノルマが課された。25カ所あるICEの事務所は、目標未達の場合には管理職が責任を問われるとも伝えられた。
トランプ氏は就任前、犯罪歴のある不法移民を優先的に国外追放する考えを示していた。しかし、NBCテレビによると、26日に拘束された956人のうち、48%は犯罪歴がなかったり、非暴力的な前科にとどまったりした。レビット大統領報道官は記者会見でこれを問われると、「不法入国した外国人は全員が犯罪者だ」として犯罪歴を問わない姿勢を示した。
米メディアによると、大規模な取り締まりはシカゴやロサンゼルス、アトランタなど他の主要都市でも行われた。ただ、先住民など米国民まで拘束されたという報告も相次いでいる。
[時事通信社]
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