トランプ氏、「トランスジェンダーのイデオロギー」を軍から排除へ
【マイアミAFP=時事】ドナルド・トランプ米大統領は27日、米軍から「トランスジェンダーのイデオロギー」を排除する大統領令に署名すると表明した。施策として実施されれば、LGBTQ(性的少数者)の権利が大きく後退する可能性がある。≪写真は、米大統領専用機「エアフォースワン」の機内で、記者団と話すドナルド・トランプ大統領≫
トランプ氏はフロリダ州マイアミで開かれた共和党下院議員との会合で、「世界で最も殺傷能力の高い部隊にするため、米軍からトランスジェンダーのイデオロギーをとっとと追い出してやる」と主張。軍関係の「4件の新たな大統領令」の一つに加える意向を示した。
米軍におけるトランスジェンダーの人々に関する処遇は近年、目まぐるしく変化してきた。
民主党のバラク・オバマ政権は2016年、入隊済みの兵士がトランスジェンダーであることを公言しても除隊処分を受けない措置を導入。2017年7月1日からは新規入隊も認められることになっていたが、同年1月に発足した1期目のトランプ政権が2018年に延期し、最終的に入隊を禁止した。
その後、民主党のジョー・バイデン氏は2021年に大統領に就任した数日後にトランプ氏の大統領令を再び覆し、軍務に就く資格のあるすべての米国民の入隊が認められるべきだと主張。オバマ政権時代の政策を復活させる大統領令に署名した。
だがトランプ氏は昨年、自身が再選を果たした場合、「トランスジェンダーを軍から排除する」と公約し、その他の権利も認めない考えを示していた。
米軍でトランスジェンダーであることを公表している兵士の数は比較的少なく、総人員200万人以上のうち約1万5000人とされる。
しかし、トランスジェンダーの人々を解雇すれば、ただでさえ新兵獲得に苦労している米軍は、兵力縮小を余儀なくされることになる。
バイデン政権で国防長官を務めたロイド・オースティン氏は今月退任する際、「入隊を希望する有能な愛国者を拒絶する軍は縮小し、弱くなるだけだ」と皮肉った。【翻訳編集AFPBBNews】
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