「今どう生きるか」考えたい=イチローさん、後進に財産―米野球殿堂
どれほどの重みが米野球殿堂入りにあるのか。イチローさんは、選手が受ける評価として「これ以上はないし、この後ももちろんない」。栄誉をかみしめた上で、こうも口にした。「特殊なのは過去に対する称賛であること。あくまでも今をどう生きるかということを、僕は考えていきたい」
2019年に引退後は、培った経験や技術を精力的に後進へ伝えている。言葉だけではなく、50歳をすぎても自ら模範となってプレーを見せている点がイチローさんならではだ。
マリナーズでは、若手と一緒にグラウンドで汗を流す。「まだ技術を実際に見せることができる状態にある。それをキープすることで選手たちが見て理解できる。耳で聞いて理解することとは、全く次元が違う理解になる」と説明する。
日本では各地で高校球児を指導し、自身の草野球チームが高校女子選抜と真剣勝負をするのも恒例になってきた。「日本の高校生たちとも僕は交流があるので、彼らにもプロの技術を間近で見せることはすごく重要」と強調した。
体を今もなお鍛える日々。「今やっていることは、その日の限界を迎えること。これを繰り返していくことで、アスリートの体がどうなっていくのか、見てみたい興味がすごく強い。単なる一例でしかないが、野球選手にとって、何かヒントになることがあるんじゃないのか」との期待もある。野球を未来へつなぐため、全力投球を続けている。(クーパーズタウン時事)
[時事通信社]
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