同盟強化へ連携急ぐ=日本政府、負担増を警戒―米新政権
政府は日米首脳会談を早期に実現させ、同盟の重要性を確認したい考えだ。「米国第一主義」を掲げるトランプ大統領の防衛費に対する姿勢は見通せず、負担増を迫るのではないかと警戒している。
石破茂首相は21日、トランプ氏就任を受け「世界の平和や経済に、どう2国間関係を生かすことができるかを中心に真摯(しんし)な議論を行い、信頼関係を確立したい」と首相官邸で記者団に語った。2月上旬にも訪米し、首脳会談を行う方向で調整している。
大統領就任式には日本の外相として初めて岩屋毅外相が出席。米側の招待によるもので、日本政府は「新政権が日米関係を重視していることの表れだ」と歓迎した。岩屋氏は早速、国務長官に承認されたルビオ氏との会談や、オーストラリアとインドを加えた4カ国枠組み「クアッド」の外相会合に臨む。クアッド開催は日本側の要請に新政権が応じた形で、政府関係者は「日本は相当いい位置にいる」と語った。
新政権の陣容は対中強硬派が並び、アジア太平洋地域に対する米国の戦略は変わらないとみられる。ただ、トランプ氏は多国間の枠組みに懐疑的との見方も根強く、中国をにらんだ日米比などの先行きは見通せない。
特に、韓国は尹錫悦大統領の逮捕で国内政局が混迷を深めており、日本政府は日米韓連携への影響を懸念する。トランプ氏は第1次政権時に北朝鮮との首脳会談を3回開催。20日の就任後には歴代米政権が認めていない「核保有国」と発言した。日本が重視する拉致や核・ミサイル開発問題が置き去りとならないか新政権の対応を注視している。
防衛費を巡っては、トランプ氏が北大西洋条約機構(NATO)加盟国に国内総生産(GDP)比5%への引き上げを要求した。政府は2027年度にGDP比2%に倍増すると説明し、粘り強く理解を得ていく方針。だが、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)と併せ、さらなる増額を求められる可能性があると身構える。
安倍晋三元首相はトランプ氏との蜜月関係を築き、自動車関税強化などの圧力をかわした。石破首相周辺は「諸課題への認識を擦り合わせる成功体験を重ねて人間関係をつくっていく」と話すものの、ケミストリー(相性)が合うのかとの不安は尽きない。
トランプ氏の手法はトップダウンで出方が読みづらい面がある。ディール(取引)に対処し、日米同盟を深化させられるかどうか首相の手腕が試されそうだ。
[時事通信社]
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