欧州経済、くすぶる警戒感=トランプ関税、即時導入見送りも―米新政権
【ロンドン時事】トランプ米大統領は20日の就任式で、「米国民を豊かにするため関税を課す」と改めて表明した。即時の発動は見送られたが、市場では「いずれ導入される」と警戒感がくすぶる。導入された場合、自動車を主力輸出品とするドイツをはじめ、欧州経済への打撃は必至だ。
オランダ金融大手INGは、即時導入は回避されたものの、「最悪の事態は過ぎ去ったと断言するには時期尚早」と指摘。トランプ氏は、全輸入品に10~20%の一律関税を課す意向で、独IFO経済研究所は、関税が導入されれば、ドイツの対米輸出が約15%減る恐れがあると試算した。欧州連合(EU)からは、報復関税を主張する声も出ている。
英国の場合、対米輸出のうち、モノは約3割にとどまるため、トランプ関税が経済全体に与える影響は限定的とみられている。スターマー英首相は、対米貿易協定締結により影響をゼロに近づけたい考えだが、協議は2023年に頓挫して以降、進んでいない。
[時事通信社]
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