2025-01-21 11:29

パリ協定離脱で大統領令=EV普及策は撤回―トランプ氏

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は20日、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」からの再離脱を表明、手続きを進めるよう国連大使に指示する大統領令に署名した。国連気候変動枠組み条約の下での資金拠出の中止や撤回も命じた。温暖化対策で米国の取り組みが後退するのは必至だ。
 トランプ氏はこの日の就任演説で、バイデン前政権による脱炭素社会・経済を目指す政策を「終わりにする」と言明した。前政権が掲げた電気自動車(EV)普及策の撤回や、沖合を含む連邦政府所有地でのエネルギー開発推進などを盛り込んだ大統領令にも署名した。
 また「国家エネルギー非常事態」を宣言。石油増産を後押しすることでエネルギー価格を引き下げ、国民の間に根強い物価高への不満に対処する姿勢を強調した。「(石油を)掘って掘って掘りまくれ」と、選挙運動中のスローガンを改めて持ち出した。
 石油や天然ガスなど化石燃料を増産するのは、米国の「エネルギー支配」を実現する狙いもある。トランプ氏は「世界各国に米国のエネルギーを輸出し、再び豊かな国になる」と訴えた。
 トランプ氏は各省庁トップに対し、緊急に物価引き下げを実現するよう命じる大統領令にも署名した。住宅価格や医療費の押し下げ、住宅供給の拡大などに関する措置が今後見込まれる。 
[時事通信社]

最新ニュース

写真特集

最新動画