自・立、石丸新党を警戒=維新は連携、国民様子見
前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が夏の東京都議選に向けて地域政党「再生の道」旗揚げを発表したことに対し、自民、立憲民主両党から警戒する声が上がった。一方、日本維新の会は連携を模索。国政でキャスチングボートを握る国民民主党は石丸氏の動向を見極める考えだ。
「都議選への影響は甚大だ」。石破政権幹部は15日、石丸新党が与えるインパクトに警戒感を示した。
今年は参院選と都議選が重なる12年に1度の年。2001年と13年は、自民が都議選の勝利を参院選勝利につなげた。今回、自民都連は政治資金の問題を抱えており苦戦も伝えられる。都選出の衆院議員は「自民が議席を減らす分を持っていかれる」と不安を漏らした。
都議選では17年にも小池百合子知事率いる地域政党「都民ファーストの会」が圧勝。「あの時の勢いを思い出す」という自民関係者は、無党派層が多い東京は既存政党への逆風が吹きやすいと危惧する。
自民と同様に石丸新党を警戒しているのは立民だ。石丸氏は昨年の都知事選で、立民などが支援した蓮舫前参院議員を上回り2位に食い込んだ。知事選の衝撃は記憶に新しく、立民都連関係者は「脅威だ」と危機感をあらわにした。
対照的なのは維新。吉村洋文代表は記者団に「多極分散の国家を目指すのは価値観を共有している」と連携に意欲を見せた。都議の任期を2期8年までとする石丸氏の公約についても「政治家が固定化されるのを防ぐというのは面白い」と評価した。
一方、石丸氏から「支持層が重なる」と秋波を送られた国民民主の玉木雄一郎代表(役職停止中)は記者団に「政策もまだ出していない。全体像が見えてくるまで見定めたい」と慎重に検討する考えを示した。
◇各党SNS戦略急ぐ
都知事選では、SNS戦略が石丸氏を次点に押し上げた要因とされ、その効果に注目が集まった。立民都連幹部は「これまで投票に行っていない層を掘り起こすことになる」と予想し、SNS対策の必要性を強調。維新幹部も「新しい発信方法を考えたい」と話した。
[時事通信社]
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