遺族ら、献花し黙とう=軽井沢バス事故9年
長野県軽井沢町で2016年1月、スキーツアーバスが国道脇に転落し、大学生ら15人が死亡、26人が重軽傷を負った事故から15日で9年となった。遺族らは町役場で古川康国土交通副大臣らとバスの安全運行について意見交換した後、現場近くに建てられた「祈りの碑」に献花。雪の舞う中、犠牲者に黙とうをささげた。
遺族でつくる「1.15サクラソウの会」代表の田原義則さん(59)は「時間がたつほど、再発防止への思いは強くなっている。事故を二度と起こさないように働き掛けていくことが遺族の役割だ」と話した。
長女衣里さん=当時(19)=を亡くした池田彰さん(59)は、「寒くないか。お父さんも頑張っているよ」と祈りの碑に語り掛けたという。「事故が風化しているのは事実だと思う。若い方たちには、事故があったことを(頭の)片隅に置いてもらいたい」と呼び掛けた。
大谷慶彦さん(59)は、長男陸人さん=同=を事故で失った。小さい頃から親子でスキーに行っており、「やはりこの時期になると、陸人とスキーに行きたいなと思う」と話した。
事故は16年1月15日未明に発生。バス乗客の大学生13人と乗員2人が死亡、26人が負傷した。長野地裁は23年6月、バス運行会社「イーエスピー」(東京)の社長高橋美作被告(63)と運行管理者だった荒井強被告(56)に業務上過失致死傷罪で禁錮刑を言い渡し、いずれも控訴している。
[時事通信社]
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