「困っている人助けたい」=神戸の新成人、決意新た―阪神大震災の犠牲者に黙とう
成人の日の13日、神戸市内で20歳の門出を祝う式典が開かれ、約8800人が参加した。阪神大震災から17日で30年。震災後生まれの新成人たちは「困っている人たちを助けたい」などと、それぞれの決意を新たにした。
式に先立ち、阪神大震災の犠牲者に約1分間の黙とうがささげられた。久元喜造市長は「神戸は助け合い、励まし合って(震災という)試練を乗り越えてきた」とあいさつ。「周りにも助けてもらいながら、地域に貢献できる存在であり続けてほしい」と新成人に期待を寄せた。
企画運営スタッフとして参加した神戸学院大2年の湖山雄翔さん(20)は、銭湯を営んでいた曽祖父が被災し、けがをした話などを祖母から聞いて育ったという。「祖母や学校の授業を通じて震災の悲惨さ、被災者の苦しみを知り、防犯や防災に興味を持った。将来は公務員になって、困っている人たちを助け、頼られる人になりたい」と語った。
娘と会場を訪れた仲宗根浩さん(51)は、阪神大震災を経験したことがきっかけで消防士になったという。「絶対に忘れられない経験だった」と振り返り、「娘に当時の話をすることで、次の世代につないでいきたい」と話した。新成人たちには「日頃から自らの命を守る備えをしてほしい」と呼び掛けた。
式典では震災後に復興を願って作られた曲「しあわせ運べるように」を合唱したほか、同市出身のフィギュアスケーター坂本花織さん(24)らゆかりの著名人が登場し、新たな門出にエールを送った。
[時事通信社]
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