日本政府、対米投資減速を懸念=USスチール買収阻止
バイデン米大統領が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収中止を命じたことを受け、日本政府は日本企業の対米投資が減速しかねないと懸念している。同盟国の企業間で合意した買収の阻止は異例で、政府内からは落胆の声も漏れる。
武藤容治経済産業相は3日夜、コメントを発表し、買収阻止に遺憾の意を表明。「日本の産業界から今後の日米間の投資に強い懸念の声が上がっており、重く受け止めざるを得ない。懸念の払拭に向けた対応をバイデン政権側に求める」として、大統領の判断に関する説明を要求した。
日本政府は日米両国の鉄鋼産業の競争力を強化し、日米同盟の強化に資するとして、今回の買収を後押ししてきた経緯がある。米国内での雇用の維持にもつながるとみており、関係者によると、石破茂首相は昨年11月、大統領に書簡を送り、買収承認は米国の利益にかなうと説いたとされる。
にもかかわらず、大統領が阻止に動いたことに、日本政府内からは「中国企業と同列に扱われた」(関係者)と不快感が漏れる。大統領の判断の背景には選挙で一定の力を持つ全米鉄鋼労働組合(USW)の意向があるとみられており、首相周辺は「完全に政局に巻き込まれた」と指摘。外務省関係者は「米国は投資を促すくせに、投資すれば反発する。本当に難しい」と嘆いた。
日本政府は日鉄の動きを引き続き側面支援する構え。6日に来日するブリンケン米国務長官にもこうした立場を伝えるとみられる。ただ、買収に「完全に反対する」と明言したトランプ次期米大統領が20日に就任する予定で、政府内からは「タイミングが悪かった」(首相周辺)との声も出ている。
[時事通信社]
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