フィリピン軍、米ミサイルシステム「タイフォン」取得へ 中国反発
【マニラAFP=時事】フィリピン軍は23日、自国の海洋権益を守るためとして、米軍の中距離ミサイル発射システム(MRC)「タイフォン」を取得する計画を発表した。≪写真はフィリピンのルソン島で合同演習を行うフィリピン軍と米海兵隊≫
米陸軍は今年、合同軍事演習のためにフィリピン北部にMRCタイフォンを展開。中国からアジアの安定を損なうと批判を受けながらも、そのまま残留させた。以降、同ミサイルシステムはフィリピン軍の訓練に使用されている。
フィリピン北部への米ミサイルシステムの配備は、南シナ海の紛争海域でフィリピンとの対立をエスカレートさせている中国の海軍および海警局を激怒させている。
取得計画の発表を受け、中国外務省の毛寧報道官は「フィリピンによる中距離ミサイルシステムの導入は挑発的で危険な行動」とし、「地政学的対立と軍拡競争を引き起こす」と警告した。
そうした中、フィリピン陸軍のロイ・ガリド中将は会見でタイフォン取得計画を発表。取得するシステムの総数は「経済的状況」に依存すると述べた。
ただし、フィリピン軍が新たな兵器システムを取得するには通常、計画段階から少なくとも2年以上かかるとし、2025年の予算にはまだ計上されていないと付け加えた。
米航空防衛機器大手ロッキード・マーチンが米陸軍向けに開発した、地上配備型MRCのタイフォンの射程距離は480キロ。現在、長距離版の開発が進められている。【翻訳編集AFPBBNews】
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