温暖化で大雪さらに強まる=21年の札幌など影響分析―北大
地球温暖化の進行で北海道の冬の大雪がさらに強まることが、北海道大の佐藤友徳准教授らの研究チームによる機械学習とシミュレーションを用いた新たな分析で明らかになった。2021年12月に24時間降雪量が50センチを超えた札幌市などの記録的大雪も、温暖化の影響により最大20%降雪が増えた可能性があるという。論文は16日、米科学誌の電子版に掲載された。
研究チームは、21年12月17~18日に札幌市や小樽市などに降った大雪の日の天気図を基に、機械学習を用いて天気図のデータベースから類似する気圧配置を多数抽出。温暖化が進む現状を反映した条件と、温暖化が進んでいない仮想的な条件を設定し、抽出した気圧配置でどのくらい雪が降るかをそれぞれシミュレーションした。
その結果、温暖化の現状を反映した条件では、最大20%、温暖化していない場合よりも降雪量が増えることが判明。大気中の水蒸気の増加が、降雪を強める原因になったという。
温暖化が夏の猛暑だけでなく、記録的な大雨や大雪などの「極端気象」に関連することは知られていたが、佐藤准教授は「新たな研究手法でより精密な分析につながる」と指摘。「研究を応用することで、予報段階から温暖化の影響を評価できるようにし、気象災害への対策を進める必要がある」と述べた。
[時事通信社]
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