皇后さま、61歳に=能登思い「心痛む年」
皇后さまは9日、61歳の誕生日を迎えられた。宮内庁を通じて文書で感想を公表。今年は能登半島地震で「深く心の痛む年の始まり」だったと記し、能登をはじめ各地の災害犠牲者に哀悼の意を表し、被災者を案じた。
天皇陛下と3、4月に能登を2回訪問。学生時代に友人と訪れた思い出の地でもあり、「多くの人々が大きな試練に直面していることに、心が締め付けられる思い」とつづった。来年1月に阪神大震災から30年を迎えることにも触れ「今後の防災・減災について考え、備えていくことが大切なのではないか」と訴えた。
世界にも目を向け、気候変動などの環境問題に「年々切迫感が増している」と懸念。戦争や紛争で多くの命が失われたことに「深い悲しみを覚えます」と記し、寛容な社会と平和な世界を築くために人々が対話を重ねることが大切だと述べた。
6月に英国を訪問。チャールズ国王夫妻のもてなしに改めて謝意を示し、留学していたオックスフォード大を34年ぶりに再訪したことを「特別な機会になり、感慨深いものでした」と振り返った。
4月に日本赤十字社に入社した長女愛子さまには「社会人として様々な経験を積みながら、皇族としての務めを果たすべく努めていってほしい」と期待。10月に右大腿(だいたい)骨を骨折した上皇后さまを案じ、リハビリが進んでいることに「少し安堵(あんど)しております」と述べた。11月には三笠宮妃百合子さまが亡くなり、「寂しく思っております」とつづった。
同庁の医師団は、適応障害と診断され、治療を続ける皇后さまについて「快復(かいふく)の途上にあり、依然として体調には波がある」とする従来と同様の見解を公表した。
[時事通信社]
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