核廃絶へ「一歩でも近づける」=ノーベル平和賞授賞式に立ち会う最若手―日本被団協、8日ノルウェーへ
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表団は8日、ノーベル平和賞授賞式に出席するためノルウェーに向け出発する。代表団で最も若い林田光弘さん(32)=長崎市=は「受賞を生かし、核兵器廃絶に一歩でも近づけたい」との決意を胸に、晴れ舞台に立ち会う。
林田さんは長崎市で生まれ育ち、今は亡き祖父が被爆した。中学3年から平和活動に携わり、核問題を専門的に教えていた首都圏の大学に進学した。
日本被団協の田中熙巳代表委員(92)に声を掛けられ、2016年から核兵器禁止条約を推進する「ヒバクシャ国際署名」のキャンペーンリーダーとして共に奔走。SNSやクラウドファンディングの利用など運動に新風を吹き込み、20年末までに約1370万筆を集めた。
授賞式には日本被団協から招待された。一緒に運動し、授賞式を目にすることなく亡くなった被爆者らを思い、「喜びを味わえなかった人がいる。受賞を生かし、核廃絶に一歩でも近づけなくては顔向けができない」と力を込める。
密接に関わってきた日本被団協を「常に必死で、『原爆に負けてたまるか』という意地を感じさせる組織」と表し、「結成から68年たっても、怒りや危機感が持続するような被爆体験だったんだと思う」と話す。
ノルウェー・ノーベル賞委員会は授賞理由で「日本の若い世代は、被爆者の経験を継承している」と述べた。林田さんは「運動の熱が次の世代に伝わっていると分かってくれた。理由を読み上げた委員長も若い世代で、自分の問題だと言ってくれているように感じた」という。
21年、長崎市で後に一般社団法人となる「ピース・エデュケーション・ラボ・ナガサキ」を立ち上げ、平和教育の普及などに取り組んでいる。「平和を大事にする文化」を根付かせ、世界中の人々が「核廃絶は被爆者だけでなく、私の問題だ」と向き合ってくれるよう、力を尽くしていくつもりだ。
[時事通信社]
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