「あらゆる手段」で自衛、ロシア外相 トランプ氏盟友がインタビュー
【ワシントンAFP=時事】ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は5日公開のインタビューで、同国がウクライナ侵攻で新型の極超音速中距離弾道ミサイル「オレシニク」を使用したことをウクライナの同盟諸国が「真剣に」受け止めることを望むと述べ、ロシアは自衛のためならば「あらゆる手段」を講じる用意があると警告した。≪写真はマルタで開催された第31回欧州安全保障協力機構〈OSCE〉閣僚会議の本会議に出席するロシアのセルゲイ・ラブロフ外相≫
ラブロフ氏は米FOXニュースの元看板司会者タッカー・カールソン氏とのインタビューで、「西側が『ロシアの戦略的敗北』と呼ぶものを成功させないために、ロシアはあらゆる手段を講じる用意がある」ということを米国とその同盟諸国は理解しなければならないと述べた。
3年近く続くウクライナ紛争がエスカレートする中、ロシアは11月、ウクライナ東部ドニプロに向けてオレシニクを発射した。
ウラジーミル・プーチン大統領はその後、ウクライナがロシア領内を攻撃したことへの対抗措置として、オレシニクを首都キーウに撃ち込むこともできると脅迫した。ウクライナによる攻撃は、米国が自国製の長距離地対地ミサイル「ATACMS (エイタクムス)」の使用を許可した後に行われたものだった。
ラブロフ氏は「われわれはシグナルを送っている。数週間前にオレシニクと呼ばれる新兵器を使って送った最新のシグナルが真剣に受け止められたことを望んでいる」と述べた。
ロシアは事態のエスカレートを望んでおらず、米国とその同盟諸国による「いかなる誤解も避けたい」と強調する一方、「必然的な結論に至らなければ、さらなるメッセージを送るつもりだ」と警告した。
ラブロフ氏はウクライナ問題について、「ロシア側はあらゆる事態に備えているが、ロシアの正当な安全保障上の利益を尊重することを前提に、交渉による平和的な解決を強く望んでいる」と訴えた。
和平合意の詳細については、ウクライナ側がドネツク、ヘルソン、ルガンスク、ザポリージャの4州のロシアへの割譲を受け入れるのが大前提だと主張。「ロシア憲法によれば、これらは今やロシア連邦の一部だ。これが現実だ」と続けた。
他方でラブロフ氏は、米国のジョー・バイデン政権がウクライナ紛争をエスカレートさせ、次のドナルド・トランプ政権に「可能な限り負の遺産を残そうとしている」とも非難した。
トランプ氏は来年1月の就任後速やかにウクライナ紛争を終結させると明言しているが、詳細は明らかにしていない。
トランプ氏については「非常に強い人物。結果を求める即断即決できる人物だ」との認識を示した。【翻訳編集AFPBBNews】
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